ブラジルにおけるデング熱流行と
日本製ワクチン「キューデンガ」の光明
ブラジルのリオ州がデング熱の流行を宣言したことは、多くの人々にとって深刻な懸念材料です。今年に入ってから既に予想の20倍にあたる4万9千人以上の疑似症患者が報告され、4名が死亡しています。これは、昨年1年間に登録された患者数の96%に達するという驚異的な数値です。私自身、サンパウロ州マリリに住む者として2回のデング熱罹患経験は、この病気の深刻さを身をもって知る機会となりました。
そんな中、希望のニュースが届きました。日本の武田薬品工業が開発したデング熱ワクチン「キューデンガ」がブラジルで承認されたのです。このワクチンは、デング熱の流行が問題となっているインドネシアや欧州でも承認を受けており、ブラジルでは2023年中の販売が見込まれています。重症化を防ぐ効果が高いとされ、米国でも承認申請がなされています。
「キューデンガ」の特徴とブラジルでの承認
「キューデンガ」は、デングウイルスの4つの型に対応しており、ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)により4歳以上から60歳までの接種対象として承認されました。これは、デング熱ワクチンとしてブラジルで唯一、ワクチン接種前の感染歴検査が不要とされた点で大きな進歩です。他の競合製品では感染経験がある人にのみ使用が限定されていましたが、「キューデンガ」はそのような制約がなく、より広範な人々に利用可能です。
ブラジルでのデング熱ワクチンの展開
ブラジル保健省によると、初回分として約75万回分のワクチンが到着し、さらに追加分が予定されています。2024年中には約320万人が接種を受けることが見込まれています。特に、デング熱患者が多い地域の10~14歳の子どもたちから接種が始まる予定で、これは最も入院患者が多い年齢層です。
希望と課題
「キューデンガ」の承認と展開は、ブラジルにおけるデング熱対策に大きな希望をもたらしています。しかし、ワクチンの供給や接種スケジュール、特定グループへの焦点など、まだ解決すべき課題も多くあります。また、リオ市ではデング熱媒介蚊の予防と対策を強化しており、市民一人ひとりの協力が不可欠であることを市保健局が呼びかけています。
まとめ
デング熱は、ブラジルにおける公衆衛生上の大きな問題です。しかし、「キューデンガ」のような新たなワクチンの導入により、この病気との闘いにおける新たな一歩を踏み出すことができます。個人の予防策と公的な取り組みが組み合わさることで、デング熱の脅威を大きく減らすことができるでしょう。私たち一人ひとりが意識を高く持ち、適切な対策を講じることが重要です。
予防が最優先
デング熱の予防は、主に蚊に刺されないようにすることに焦点を当てるべきです。以下は、私が実践している予防策です:
- 蚊よけ対策: 蚊が活動的な早朝や夕方には外出を避け、蚊よけスプレーやローションを使用する。
- 環境管理: 家の周りの水たまりを排除し、蚊の繁殖場所を減らす。
- 適切な衣服: 蚊に刺されにくいよう、長袖や長ズボンを着用する。
- 蚊帳の使用: 睡眠中も蚊に刺されないように、蚊帳を使用する。
ブラジルの虫除けスプレー。右の方が強力に効きます。おすすめです。YouTubeショートで解説しています。
「ブラジル・シュウちゃんねる」
↓いいね評価、チャンネル登録よろしくお願いします↓
0 件のコメント:
コメントを投稿