2022/10/14

お寺の猫住職、サラも菩薩なのでしょう  野川博之先生の漢詩 仏典には「菩薩は時として畜生に身を代えて相手を済度する」とある。  妙音菩薩の34種の分身の中に「畜生身」ありとするお経文(『法華経』妙音菩薩品)がそれだ。

たまに紹介しているまだ会ったことのない野川博之先生の漢詩を紹介します。


私もお寺にサラと名付けた道端で出会った猫がいます。おとなしくて可愛い雌猫です。一番お寺にいるのはサラなのでお寺の住職はサラなのです。
 サラは毎朝のお朝勤にも必ず参加します。野口さんの台湾の犬の漢詩が素晴らしいので転載させていただきます。

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 これは10数年以上も昔、もとの勤務先(台湾台南市の私立「立徳大学」。今の名称は「康寧大学台南校区」)で守衛さんに撮って頂いた校犬とのツーショットであります。


 このワンちゃんは2017年秋に死んでのち、
キャンパス内に葬られたと聞いておりますが、
草木の成長が東南アジア並みに早い台湾南部にあって、
そのお墓を探り当てるのは困難となっておりましょう。



9月11日夜
                      野川博之 敬上

       中秋憶立德大學校犬「小黃」(母狗,2006-2017)
(中秋に立徳大学の校犬・小黄〔シャオファン,♀,2006~2017〕を偲んで)
                  野川博之     
                                            2022.09.11
埋骨荒園垂五年,  ○●○○○●◎ 骨を荒園に埋(うず)めて 五年に垂(なんな)んとす
一生功就入西天;  ●○○●●○◎ 一生功(こう)就(な)って 西天(さいてん)に入(い)る
與君重會知何處,  ●○○●○○●  君と重ねて会(かい)す 知んぬ いずれの処(ところ)ぞ
不用臺南立墓前!  ●●○○●●◎ 用(もち)いず 台南にして墓前に立つを
  (仄起式,平聲先韻)


 君が荒れかけた校庭に骨をうずめてから、そろそろ丸五年になろうとしています
   (元の勤務先は、残り少ないすべての学生たちを送り出したら廃校と決定)。
 君は学園を守るという、今生での功績を成就して、遠く西方浄土へと赴いたことでしょう。
 君とどこで再会できるかはわかっております。
 それゆえ台南まで赴いて、荒れ果てた墓前に立とうとは思いません


    深謝「小黃」與「小黑」勵我良多

(「小黄」(前出)と「小黒」(シャオヘイ,♀,2011~2018)とが大いに私を励ましてくれたことを深く感謝して)
             野川博之                                                      2022.09.14

與我相親如善朋, ●●○○○●◎ 我と相(あい)親しむこと 善朋(ぜんぽう)の如し
悅他為樂發歡聲; ●○○●●○◎ 他を悦ばしむるを楽と為し 歓声を発す
經文有證君知否? ○○●●○○●  経文 証あり 君 知るや否(いな)や
卅四分身含畜生! ●●○○○●◎ 卅四(さんじゅうし)の分身(ふんじん) 畜生を含む
  (仄起式,平聲庚、蒸通韻)


 良き友人さながらに私と仲良くしてくれた君らよ。
 他者を喜ばせることに楽しみを見い出し、歓声をあげてくれたものだった。
 仏典には「菩薩は時として畜生に身を代えて相手を済度する」とある。
 妙音菩薩の34種の分身の中に「畜生身」ありとするお経文(『法華経』妙音菩薩品)がそれだ。



 詩題に出て来る「小黒」(シャオヘイ,♀,2011~2018)とは、雑種の台湾犬であります。
私を2011年9月以降2017年9月まで実に5年間も無料で置いてくださった「圓光仏学研究所」(台湾桃園市,国際空港そば)
で飼われておりました。

 番犬として大いに本分を尽くしてのち、2018年秋に死亡、
学校に隣接する庭園「智慧林」に葬られております。





       寵物度人,功不可沒
(ペットも人を救う。その功績は見落とせず)
                    野川博之                                               2022.09.15

菩薩分身數固多, ●●○○●●◎ 菩薩の分身(ふんじん) 数 もとより多し
萬機堪度績堪歌; ●○○●●○◎ 万機(まんき)度するに堪えたり績(せき)歌うに堪えたり
悲心不怕今生短, ○○●●○○●  悲心 怕(おそ)れず 今生(こんじょう)の短かきを
乘願重來志未磨! ○●○○●●◎ 願(がん)に乗じて重ねて来たり  志いまだ磨せず
   (仄起式,平聲歌韻)


 菩薩さまには何種類もの分身がおありで、
 だからこそさまざまな機根(きこん)の衆生を再度することができ
   その功績は謳歌するに値するのであります。
 その慈悲の心は、自己の今生での生涯が短いことを恐れず、
 誓願のままに再度この世へやって来ては、ペットの身で主人となった相手を済度するのだ、
   という意気に燃えていらっしゃいます。

9月16日午前
                        野川博之 合掌

「ブラジル・シュウちゃんねる」

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